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資生堂、既存の各種美容サービスを統合・再編 ——新たなソーシャルビジネスとして7月に再開

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資生堂は27日、これまで首都圏で展開してきた「高齢者美容サービス」と、全国の事業所が主催してきた「美容セミナー」の活動を統合・再編し、同社のソーシャルビジネス「ライフクオリティー事業」として、全国で7月から順次、展開していくと発表した。

「高齢者美容サービス」とは、要介護者や認知症患者に対応する専門教育を受けた「ビューティー・セラピスト(BT)」が高齢者施設を訪問、美容プログラムを実施して高齢者のクオリティー・オブ・ライフを向上させることを目指す有償の美容サービス。資生堂は2011年4月にこれを事業化し、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都3県で展開してきた。

また「美容セミナー」とは、新社会人を対象とした「整容講座」として1949年に開始、時代の変化に合わせて対象者や内容を変えながら実施してきたセミナー。現在は同社のCSR活動の柱の一つとなっており、2012年度の開催実績は全国でのべ約3000件・約7万人を見込んでいる。

今回の再編・統合は、高齢者施設や学校から、各種セミナーの開催依頼が増加していることを背景に行われるもの。これまで実施してきたさまざまな美容サービスのプログラムを見直し、「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」として体系化する。

さらに、超高齢社会など、今後の社会動向の変化に伴うさらなるニーズ拡大を見据え、従来のようにCSRとして実施していくことには限界があると判断。セミナーで使用する化粧用具代など必要なコストの一部を有償化し、同社のソーシャルビジネスとして持続的・発展的に推進していくことを決めた。料金体系は、国の社会福祉事業基準を参考に設定する。

今後は、参加する対象者や目的によって、「教室」と「講座」に分けてセミナーを開催する。「教室」は主に高齢者を対象に「お化粧教室」など3種で構成、「講座」は主に学生やビジネスパーソン、各種施設スタッフを対象とし、「ビューティー講座」「がん患者美容ケア講座」など6種で構成する。プログラムの充実・強化により、超高齢社会が抱える課題を解決することに加え、より幅広い年代やニーズに対応していきたい考えだ。

4月以降、全国の6支社に「ライフクオリティー事業」を統括する専門部署「SLQ推進部」を設置し、本社で専門教育を受けたBTを中心に配属する。2015年度中に、高齢者施設・学校など約3000施設での展開を目標に同事業を推進していきたいとしている。